2002年2月
藤井 武(TBMプロデューサー)
ベテラン・ピアニスト蒲池 猛(ジョ−蒲池)の初リーダー作!

 私のジョ−蒲池は、小柳ルミ子の大ヒット曲です(笑)。私たちはジョ−蒲池とは呼ばず、楽隊用語でチーカマと呼んでいます。ところで、相当古くからのジャズ・ファンでも蒲池 猛Whoという感じで無名といってもよいでしょう。

 私は、60年代後半から70年にかけて、故いソノてルヲさんが経営していた自由ヶ丘の「ファイヴ・スポット」で、何度も聴いています。土岐英史も井野信義も渡辺香津美もここで初めて聴いたものです。75年から10年間、原 信夫とシャープ・アンド・フラッツに在籍、この間79年にTBMが録音した「活火山/原 信夫と#&♭」では当然、蒲池がピアノです。

 そんな訳で、昨年夏に中村照夫から電話があった時「チーカマ?私は知ってるけど、ファンはほとんど知らないよ。どんなによいレコーディングでも発売を引き受けてくれるレコード会社を見つけるのは苦労するよ」とアドバイスしたものです。しかし、照夫と蒲池のジャズへの情熱がこの無謀ともいえるレコーディングを敢行したのです。しかもレコーディングは、元東芝EMIの名手・行方洋一の手になるものという。さて昨秋、照夫から案の定TBMで何とかリリースしてはもらえないかと相談されてほとほと困った。私としては腹案のある新録を録りたいと思っていたから、これに1枚とられて、売れなかったら困るというのが本音です。

 しかし、音を聴いて一安心。全曲オリジナルとはいえ、どの曲も親しみやすいテーマで、リズムも4ビート中心で曲によってはラテンのフレイバーが加味され、なかなかの力演です。蒲池のピアノも5曲目のトリオによるバラードで泣かせてくれます。私も自信をもってお薦めします。是非試聴されてお求め下さいますようご案内申しあげます。

2月24日発売新譜

TBMーCDー2848 定価 2,800円(税抜)
「スプレッド/蒲池 猛」
・蒲池 猛(p)、ヒューバート・ロウズ(fl)、峰 厚介(ts、ss)、ビクター・ジョーンズ(ds)、中村照夫(b)、チャギー・カーター(perc)
・2001年7月7日〜9日、東京録音

xrcd2でリリースしたかったのだが..............
音を聴いた時、流石に行方洋一の録音・ミックス・マスタリングだと思い、xrcdの新譜として出したいと思ったのですが、xrcdの高いハードルの故に、通常のCDとしてリリースすることにしたものです。xrcdの高いハードルとは次の通り

1. 録音が素晴らしいこと
2. 演奏が素晴らしいこと
3. オリジナルのアナログ・マスターテープを使用すること。

即ち、1,2は完璧にクリアしているのですが、デジタル録音のため残念ながらxrcd化は出来ないのです。


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