『ワイン道』楽々講座
 講師:城丸 悟

 
ワインボトル エティケット(ラベル)が教えてくれるとても大事なこと(1)
第一章
 ワインは飲みものですから当然飲んで覚えていくべきものです。いくら有名で値の張るワインの名を知っていても、飲んでみなければ話にもなりません。中には「知る人多けれど飲みたる人少なし」といわれる偉大なワインもありますが、それでもいずれは飲んでやるぞ、という意気込みは必要です。
 しかし、だからと言って、何でもかんでも手当り次第に飲みまくるという暴飲は、ただの呑ん兵衛を作るだけです。何事にせよ身につけるためには、頭で覚えるべきものは頭に覚えさせ、身体で覚えるべきものは身体に覚えさせる、つまり学科と実地の訓練が並行して行なわれる必要があります。ワインの場合もまた例外ではないのです。
ぶどうイラスト エティケットとは何か(1)
ワインのラベルはフランス語ではエティケットといいます。
そこで第1回は壜に貼ってあるエティケット(ラベル)の正しい読み方を中心に話を進めていきましょう。この講座ではフランス・ワインを主にとり上げますが、それは何といってもフランス・ワインがワイン界のリーダー的存在であり、赤も白も幅広く揃っているし、ワインの品質を厳しく法律で管理しているからです。ワインのラベルはフランス語ではエティケットといいます。本来の意味は何かの荷物につけて、その中身が何であるかを正確に記してある荷札のことで、荷札に書いてある通りのものが荷物に入っていないと法的に罰せられるわけです。つまりエティケットは、中身の身分証明書で、ワインのエティケットにはそれがどんなワインであるかが正しく書いてあるのです。ですからエティケットを読むことが出来れば、ワイン道をゆくための仮免許を得たようなものだと言えるでしょう。ただし、ワインのエティケットを読むためには、そこに印されていることの意味を前もって理解しておかなければなりません。そうしなければ正しくエティケットを読みとることは出来ないのです。ついでながら触 れておくと、このエティケットという言葉は人間にも使われます。よく言われるエチケットがそれで、「自分はこれこれの人間であるということを証明して見せる態度」をさします。「自分は大学出で年は何歳、いちおう礼儀はわきまえ、外国語は三ヵ国語が話せます」などと言った人が、もしそれにふさわしくない言動を行なったり、言ったことが嘘だったりした場合は、エチケット違反、またはエチケットのない人と言われるわけです。


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