『ワイン道』楽々講座
 講師:城丸 悟

ぶどうイラスト ワインの産地の地図を見るべし(1) ラベル:『エティケット』のお話
ABCともエティケットにVIN DE TABLE(テーブル・ワイン)と印刷してあります。


ラベル
メドック
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ラベルD
エティケットが語るすべてのことは、ボルドー、ブルゴーニュといった産地のワインのエティケットの文字を読めばわかります。まずそのやさしい例から取り上げましょう。
 ここにDとE、2枚のエティケットがあります。描かれている絵は異なりますが、あとはとても似ています。一番上に鳥をあしらったCALVET(カルヴェ)という商標マーク、中央に赤い文字でDはMEDOC(メドック)EはMARGAUX(マルゴー)、その下にDはAPPLLATION MEDOC CONTROLEE、EはAPPLLATION MARGAUX CONTROLEEと書いてあり、下にはどちらもMIS EN BOUTEILLES PAR CALVET, NEGOCIANTS ELEVEURS A BORDEAUX-GIRONDE(FRANCE)と書いてあります。ボトルはDがレギュラー・サイズの750cc入り、Eはハーフ・サイズの375cc入りと印されています。年号は入っていません。


ラベル
マルゴー
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ラベルE
ここで問題。DとE、どちらのワインのほうが品質が上なのでしょうか。さきほど説明したボルドー地方の地図を見て下さい。ボルドーの地図画像
 中央にある大きな文字はDがMEDOC、EはMARGAUXとなっています。地図によると、MEDOCはHAUT-MEDOC地区の上(北)にある地区の名で、MARGAUXはHAUT-MEDOC地区の中にある一つの村の名前です。とするとワインは小さな範囲で造られるもののほうが品質が上なのですから、この2枚のエティケットのうち、MARGAUXと印刷してある村名ワインのほうがMEDOCと印刷してある地区名ワインより上等であるということになりますね。当然Eのワインのほうが値も張るわけです。


(アペラシオン ○○○○○ コントローレ)という言葉


ワインボトルさて次は、すべての高級ワインには必ず書かれている、いわば法定文字で、ワインの品質を見きわめる上で絶対に覚えなければなりません。それはDのワインにもEのワインにも、エティケットにある、APPLLATION ○○○○○ CONTROLEE(アペラシオン ○○○○○ コントローレ)という言葉で、○○○○○のところはDがMEDOCという地区名、EはMARGAUXという村名が入っています。この一連の言葉のうちAPPLLATION(アペラシオン)はフランス語で名称、呼称のこと。○○○○○の部分はそのワインが造られた原産地の名前でフランス語だとORIGINE(オリジーヌ。英語のオリジナル)となり、そのワインがどこの産かを示しています。実際のエティケット上ではこのORIGINEの文字の前に「〜の」という意味の言葉DEがつきますが、このDEの「E」とORIGINEの最初の「O」が共に母音なので「E」のほうを省略しD'ORIGINE(〜を原産地とする)という書き方で示されています。最後にあるCONTROLEE(コントローレ)は法によってコントロールされているという意味の「統制管理」という言葉です。


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