BASHO
BASHO
写真と文:上野信好

〈プロローグ〉
 今月から12回にわたって松尾芭蕉の「おくの細道」の旅を、解説しながら辿ってみたいと思います。最初に作者芭蕉についての紹介から始めてまいります。


BASHO 三重県伊賀上野市にある「芭蕉の生家」


[芭蕉の生涯]
 松尾芭蕉は3代将軍家光の寛永21年(1644)に伊賀上野、現在の三重県上野市松坂町で出生したとされています。芭蕉の先祖は伊賀平氏にゆかりの家系で、藩政後藤堂高虎の懐柔策により松尾一族は無給の準士分に組入れられ、農人として生計を立てていたといわれています。父は与左衛門、母は伊予宇和島の産で、藤堂家が宇和島から伊勢・伊賀に移封されたとき移り住んだ桃井家の女と伝えられています。
 幼名を金作、のちに半七、甚七郎、忠右衛門宗房などを名乗っています。寛文3年(1663)20才の頃、伊賀付5千石の侍大将藤堂新七郎良精(ヨシキヨ)の嫡子主計良忠(カズエヨシタダ)に近習として出仕することになりました。しかし寛文6年(1666)23才のとき仕えていた若殿様が25才の若さで病没してしまいます。


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