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こうもり(Die Fledermaus) |
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第二幕
《オルロフスキー侯爵の屋敷》 |
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写真提供:(財)東京二期会/演出:栗山昌良 |
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華やかな舞踏会が催されています。しかし主人のオルロフスキー侯爵は、退屈でたまりません。なにしろ金と暇がありすぎてやりたいことはすべてやり尽くしてしまったからです。そんな彼にファルケは、今夜は特別の面白い芝居が観られますよ、と耳打ちします。 |
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やがてアデーレがロザリンデのドレスを着て現れます。イーダは彼女を女優のオルガと紹介し、ルーレットに連れて行きます。続いてアイゼンシュタインがフランスのルナール侯爵と名乗って現れます。身分の高い相手にすっかりしどろもどろの彼に向かってオルロフスキーは「ここでは楽しむのがルール、皆好きなことをしなさい」と歌います(アリア「僕はお客を呼ぶのが好きだ」)。 |
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さて、ルーレットから帰ってきたアデーレはアイゼンシュタインと鉢合わせ。お互いこんなところにいるはずのない相手と出会ってびっくり仰天、慌ててしまいます。アイゼンシュタインがつい「家の小間使いにそっくりだ」と口を滑らせると、アデーレはわざと怒りだして「女優の私を小間使いと間違えるなんて!」と彼をからかい笑い者にします(アリア「侯爵様、あなたのようなお方は」)。 |
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そこへ、フランクがフランスの騎士シャグランとして現れます。彼もファルケに誘われていたのです。アイゼンシュタインに紹介された彼は、まさか目の前にいるのが本来は自分が連行しなければならない人物とは露知らず、あやしげなフランス語で挨拶します。 |
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写真提供:(財)東京二期会
ロザリンデ:山口道子、アイゼンシュタイン:黒田晋也 |
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一座がなごみ、アイゼンシュタインはガールハントの小道具である自慢の美しい時計を取りだして、アデーレを口説き始めます。そこへロザリンデがやって来て、夫が刑務所へ行くと偽ってここにいること、アデーレまでもが来ていることを知ってびっくり。ひとつ懲らしめてやろうと考えます。ちょうど一同が食事のために隣室へ移動すると、ファルケはアイゼンシュタインに、ハンガリーの伯爵夫人としてロザリンデを紹介します。仮面を着けているためその素顔がわからない彼女にすっかり参ってしまったアイゼンシュタインは、早速例の時計を取りだし自分の妻を口説き始めてしまいます。ロザリンデは彼を上手にあしらい、時計を取り上げてしまいます(時計の二重唱)。
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やがて食事に行っていたお客たちが戻ってきて、仮面の伯爵夫人の招待を知りたがるので、ロザリンデは「祖国ハンガリーの歌」としてチャルダッシュを歌います。宴もたけなわとなり、皆にシャンパンが配られて一同乾杯をします(シャンパンの歌)。 |
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歌やバレーが披露され、皆がワルツを踊り始めるころ、夜明けを告げる鐘が鳴ります。アイゼンシュタインとフランクは大慌て。二人とも刑務所に戻っていなければならないのです。刑務所長と囚人という立場をお互い知らない二人は、仲良く肩を組んで千鳥足で屋敷を出ていきます。その姿にオルロフスキーを始め一同は大笑いで二人を見送るのでした。 |
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