愛の妙薬
 
愛の妙薬(L'Elisir d'Amore)
第二幕第一場
 
 結婚式の前に、お祝いの祝宴が開かれています。アディーナは、肝心のネモリーノの姿が見えないのを気にしています。そこへ招かれたドゥルカマーラはアディーナと二人で余興の歌を歌います(二重唱「私は金持ち、あんたは美人」)。やがて公証人がやってきて結婚証明書にサインをする段になって、アディーナはサインをするのは夜まで待ってくれるようにと引き伸ばします。
 
 村人達が去った後、ネモリーノがやって来て一人残っていたドゥルカマーラに助けを求めます。薬をもう一瓶飲めば効果を速められるとドゥルカマーラはまたしても嘘をつきますが、ネモリーノにはもうお金がありません。思い悩むネモリーノにベルコーレが、軍隊に入れば金が手に入ると教えます。故郷を捨てることになっても、そしてたった一日であってもアディーナの心を我が物にしたいと、彼は自分のライバルの配下になることを約束し、金を受け取るのでした。
 
愛の妙薬 第二幕
▲'97.8.28 第四回イタリアオペラツアーより
 
第二幕第二場
 
 村の娘達が、大ニュースが飛び込んできたとうわさ話をしています。実は、ネモリーノのおじさんが亡くなり、彼に莫大な遺産が残されたというのです。そこへそんなことは露知らないネモリーノが酔っ払って現れます。娘達は大金持ちになった彼の愛を得ようと、口々に愛の言葉を捧げます。突然の娘達の変化にネモリーノはびっくり。これこそ愛の妙薬の効き目と喜びます。 
 
 一方アディーナは、ドゥルカマーラからことの次第を聞いています。ネモリーノが自分の愛を得るために軍隊に身を売ったことを知ると。彼女はその気高い心にすっかり心打たれてしまいます。その様子に更に彼女にも惚れ薬を売り付けようとするドゥルカマーラでしたが、彼女は自分の力で彼の心を勝ち取るとその申し出を断ります。
 
 物陰からこのアディーナの様子を見ていたネモリーノは、彼女の目に涙が光ったのを見たと言い、彼女に愛されたなら死んでもいいと熱い心を歌います(アリア「人知れぬ涙」)。  そこへアディーナが、彼の入隊契約書を買い取ってやってきます(アリア「受け取って」)。この村にとどまってくれという彼女は、しかしそれでも自分から愛しているとは言いません。そんな彼女にネモリーノが愛されていないなら兵隊になって戦場で死ぬまでだと激しく言い切ると、アディーナはついにこらえ切れず愛を打ち明けます。そして二人は喜びのうちにしっかりと抱きあうのでした。
 
 村人達と現れたベルコーレはこの様子を見てびっくり。しかしすぐに、女は彼女だけじゃないさと他の娘の腰に手を回します。ドゥルカマーラがやって来て村人に別れを告げると、皆は彼をほめたたえ、その歓声を背に受けて、偶然にもキューピッド役となってしまったこのいかさま薬売りは村を去っていくのでした。
 
 
第一幕/第二幕
 

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