BASHO
写真と文:上野信好


BASHO
BASHO 黒羽町雲厳寺(ウンガンジ)の山門
BASHO 黒羽町雲厳寺(ウンガンジ)境内の仏頂和尚の歌と芭蕉の句二首を一基の石碑に刻む

「竪横の五尺にたらぬ草の庵(イオ)結ぶもくやし雨なかりせば」仏頂
「啄木(キツツキ)も庵は破らず夏木立」芭蕉
BASHO 那須町 芦野 遊行柳(ユウギョウヤナギ)西行歌碑

「道の辺に清水流るる柳陰(ヤナギカゲ)しばしとてこそ立つちどまりつれ」西行
BASHO 那須町 芦野 遊行柳(ユウギョウヤナギ)の芭蕉の句

「田一枚 植えて立去る 柳かな」
句意は「西行法師が『道のべに 清水流るゝ 柳かげ しばしとてこそ 立ちどまりつれ』と詠んだ柳のそばに自分も立ちどまっている。それは目の前で早乙女たちが一枚の田に早苗を植え終るほどの時間で、西行法師への深い思いを抱きながらこの柳のもとを立ち去ったことだ」
この「立ち去る」という言葉には単に遊行柳を立ち去るばかりでなく、いよいよ関東平野を踏破して未知なる国奥州路にふみ入る決意のようなものが込められているように思われます。
 次号ではいよいよ白河の関越え、つまりみちのく入りです。


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