BASHO
写真と文:上野信好


(笠島) 紀行文では五月三日白石の城下を過ぎて笠島、そして武隈に入ったとなっていますが、白石から武隈を通って笠島へ向ったとするのが地理的にも正しいようです。
 それは旅を終え、二年後ぐらいしてから紀行文を書き起こす段になって間違えたものかと思われます。
 笠島は平安中期の歌人藤原左近衛中将実方(?〜998)が左遷され陸奥守に下り、ここ笠島道祖神の前で落馬し敢えなく死んだという故事を思い起し、芭蕉は尋ねようとしたが雨で中止したと紀行文にしるしています。
 明けて五月四日、いよいよ奥州第一の雄藩仙台の城下に脚を入れます。

BASHO 名取市 笠島 実方の墓近くの西行和歌と芭蕉の句碑
「朽ちもせぬその名ばかりをとどめおきて
かれ野のすすきかたみにぞみる」西行


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