BASHO
写真と文:上野信好


(仙台・宮城野)名取川を渡って仙台に入った日は五月四日のことでした。そのことを紀行文で芭蕉は「名取川を渡って仙台に入る。あやめ葺く日なり」としています。仙台は伊達陸奥守62万石の城下町で、五月五日の端午の節句の前日に仙台入りとしたのは陸奥随一の雄藩に対する表敬の意がこめられています。当時この地方では端午の節句の前日家々の軒にあやめを差して祝ったとされていました。
その仙台の花「宮城野萩」は古歌に詠まれた秋の景色で、芭蕉と曽良はこの地に五月四日から七日までまるまる三日間滞在することになりました。

BASHO [仙台市宮城野、つつじヶ岡公園入口付近]
仙台滞在3日間、芭蕉は榴岡・木の下など歌枕の地を尋ねているが、当時の草深い様子から一変し現在では大規模な公園となり、その一角にある歴史民俗資料館が往時を伝える資料を整えているに過ぎない。


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