BASHO
写真と文:上野信好


ところで、ここで注目すべきはこの碑の文字を見た芭蕉が、「千歳(センザイ)の記念(カタミ)」として古人の心に思いを致し、人や草木は生を得てもやがて滅ぶものながら、人ののこした文字こそは永遠に不滅であると感嘆しているところです。その感嘆はその後の彼自身の文芸が推敲を重ね、表現に全精力を傾注した姿勢に如何なく表れています。

BASHO [壺の碑の全景と碑]
壺の碑というのは寛文の頃発掘されたものと混同され一般に流布されたもので実物ではない。また多賀城碑としても内容、書体とも疑問であり結局偽物であろう。


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