BASHO
写真と文:上野信好


芭蕉テキストのご紹介【テキスト】このホームページでは次の文庫本をテキストとします。どうぞお手元にご用意下さって画面と対比しながらご覧いただくことをおすすめします。

「新訂おくのほそ道」 潁原退蔵・尾形仂訳注・・・角川文庫 ¥620


石の巻
5月10日、松島をあとにした芭蕉と曾良は平泉へ向うつもりが道に迷って、根古村(現在の鳴瀬町)、矢本を通って石の巻にたどり着きました。その間7里、28kmばかりの行程でした。ここの条を紀行文で芭蕉は、「平泉をめざしたはづが道を踏み外して石の巻の港に出てしまった。ところが思いがけなく繁栄をきわめている港の様をみて、さても繁華なところに来たものよと宿を借りようとしたがどこも相手にしてくれない。やっとの思いで貧しい一家を借りて一夜を明かし、明くればまた堤ぞいを歩いて戸井摩(トイマ)に一宿して平泉に着いた」となっています。
しかし同行曾良の旅日記によれば石の巻は当初から尋ねる予定になっていた節があり、10日の夜は石の巻から引き返し根古村の今野源太左右衛門(伊東肥後守の家老)宅に止宿したことがしるされていました。今野家は現在も未裔が根古村、現在の鳴瀬町で事業を営まれており、曾良の旅日記から今野家に止宿した芭蕉らは厚遇されたことが判っております。
翌11日の夜は戸井摩(トイマ)、現在の宮城県登米郡登米町(トメグントヨママチ)に泊り、12日は強い雨に見舞われる中を岩手県一関にたどり着きました。



BASHO [石の巻市日和山公園の芭蕉・曾良像]


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