BASHO
写真と文:上野信好


 岩手の里、小黒崎、みずの小島、なるこの湯と歌枕の地をたどっている条は、激しい 詩文を綴った平泉とこれから向う嶮しい出羽山脈越えの間にあって一種くつろいだ文 章になっていることに気づかれたことでしょう。
 国道47号線をさらに西へ、鳴子温泉街を過ぎてすぐの長い坂道の途中に尿前の関跡が あります。ここは仙台藩の関所で陸奥・出羽の境のきびしい取締りがあった番所とい われ最近復元されました。  この尿前(シトマエ)から中山宿を通って新庄領の堺田に通じる道筋は「歴史の道」 としてよく整備されています。従って車を馳っての観光には美しい木立をめでること ができますが、尿前の関跡より県境まで約9キロの旧道は、小深沢・大深沢などの難 所が続き徒歩では3〜4時間を要する嶮路です。そして終点近くに封人(ホウジン)の 家がこれまた復元されていて江戸時代にタイムスリップしたような錯覚におちいりま す。



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尿前の関跡(再現)
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「尿前の関句碑」(玉造郡鳴子町)


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