BASHO
写真と文:上野信好


 その封人の家とは、辺境のこの付近を守る家のことで土地の庄家を世襲した有路家 (アルジケ)がその任に当っておりました。ここで宿をとった芭蕉は次の句を残しており、庭先に小宮豊隆の筆になる句碑が建っ ていました。
「蚤虱(ノミシラミ)馬の尿(シト)する枕もと 芭蕉翁」
5月17日(陽暦7月3日)堺田を立った芭蕉は、いよいよこの旅屈指の難所山刀伐 峠(ナタギリトウゲ)を越え尾花沢へと向います。
 国道47号沿いに「奥の細道山刀伐峠頂上まで1.8粁」の道標があり、旧道を登ってゆ くと頂上に至ります。峠の頂上には案内板、碑石などが置かれていますが樹木が茂っ ていて眺望はかないません。国道から車でも登れますが、道路巾は乗用車一台分ほど で途中で対向車と行き合っても離合できないし、路肩もよくないので徒歩でのおでか けをおすすめします。この峠の峻嶮なさまを芭蕉は紀行文で次のように表現していま す。



BASHO
封人の家の前景
(山形県最上郡最上町)
BASHO
山刀伐峠山頂の案内版と
俳人加藤楸邨の揮毫に
なる文学碑
(最上ー尾花沢の境界峠)


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