BASHO
写真と文:上野信好


 
芭蕉テキストのご紹介
【テキスト】このホームページでは次の文庫本をテキストとします。どうぞお手元にご用意下さって画面 と対比しながらご覧いただくことをおすすめします。

「新訂おくのほそ道」
潁原退蔵・尾形仂訳注・・・角川文庫 ¥620
 
新庄・出羽三山から鶴岡へ
(新庄)6月1日(陽暦7月17日)に大石田を発った芭蕉と曽良は、徒歩で名木沢、猿羽根峠(サバネトウゲ)を越え舟形を経て新庄にたどり着きました。
新庄には2泊して6月3日本合海(モトアイカイ)から清川までの最上川下りをしています。紀行文には出してこない新庄での芭蕉は、土地の富豪渋谷甚兵衛(俳号風 流)、風流の本家渋谷九郎兵衛(俳号盛信)などの応待を受け、歌仙二巻の興業を催すことになりました。
ここの様子は紀行文には出して参りません。紀行文では大石田で歌仙一巻を残し、最上川を舟で下って直ちに出羽三山へ向かったことになっていますが、省略された(新 庄)はいささかミステリアスな旅の谷間ともなっています。或は芭蕉が紀行文をまとめているうちに、大石田の風流三味の俳諧仲間との交流のあと、激流の最上川の景を叙し一転して天台宗修験道の霊山霊地としての出羽三山に旅を導くという筆法で意識 的に緊張した雰囲気を続けたかったのかもしれません。



BASHO  
猿 羽根峠(サバネトウゲ)の地蔵尊   猿 羽根山頂から見た最上川


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