BASHO
写真と文:上野信好


(出羽三山)出羽三山とは、羽黒山(436メートル)・月山(1980メートル)・湯殿山(1504メートル)の總稱で、芭蕉は先づ羽黒町手向(トウゲ)の図司佐吉(染物業 で俳号呂丸)を尋ね、彼を伴って酒田までの旅をすすめます。
芭蕉らは羽黒山の中腹にある南谷(ミナミダニ)の別院に宿をとり、南谷に6泊、月山の山小屋に1泊し6月10日(陽暦7月26日)に酒田に赴くまでの7泊8日を出羽の霊山で過ごすことになりました。その羽黒山には出羽神社、月山の頂上には月山神社、湯殿山には中腹に湯殿山神社と夫々祭神が鎮座しますが、月山・湯殿山は高山のため冬場の参拝が不可能なため、羽黒山の出羽神社に三神を合祀して三神合祭殿と稱されています。6月4日の本坊における俳諧興業で芭蕉は「有難や 雪をかをらす 南谷」の句を詠みました。句は「このお山は晩夏の6月というのに山肌にはまだ雪を残していて、それが南風にのって薫るかと思われるほどであり、ありがたいことだ」というほどの意味でしょう。南谷の南は「南風」の意があり夏の季語となっています。



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出羽三神合祭殿「出羽三山神社」


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