![]() 写真と文:上野信好 |
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そのほか月山を詠んだ句に 「雲の峰 幾つ崩れて 月の山」 また湯殿山では行者の作法として、山中の出来事などの他言を禁じていることに発想を置き、「語られぬ 湯殿にぬらす 袂(タモト)かな」」の句が浮かびました。もとより「湯殿」と「ぬ らす」は縁語になっている点もお気づきのことでしょう。 (鶴岡)6月10日羽黒山を下った芭蕉は、酒井左衛門尉忠直14万石の城下町鶴岡にはいりました。鶴岡では「長山氏重行といふ武士の家」に迎えられたと紀行文にしるしています。長山重行は庄内藩士で、蕉門俳人のひとりでした。現在ではその邸跡だけが残っており、その一角にこの地で編んだ四吟歌仙(芭蕉・重行・曾良・呂丸)での芭蕉の発句の碑が立っておりました。 「めづらしや 山をいで羽の 初なすび」
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