![]() 写真と文:上野信好 |
(出雲崎)松島、平泉、象潟という「おくのほそ道」の旅の大きな目的地を尋ね終え た芭蕉は、象潟から酒田を経て日本海沿いの北陸道(ホクロクドウ)を新潟、富山、
金沢、福井を通って、この旅の集結点大垣をめざすことになりました。 改めて「おくのほそ道」の旅の道筋を申し上げますと、江戸を発って平泉までは現在 の国道4号線とほぼ同じ道筋を通っています。その後平泉から日本海側に方向を変 え、出羽領(山形県)から秋田県の西端象潟に到着、ここで踵(キビス)を返し北陸 道を大垣までの全行程2400キロにおよぶ長旅でありました。 紀行文「おくのほそ道」についてテキストの著者尾形仂先生は、邦楽の組立てである 「序・破・急」がこの作品には意識的に導入されていると申されています。 「序・破・急」とは作品のスタート部分でゆっくりと進行させることを「序」、 やがて 物語が本格化しクライマックスに達するまでを「破」、そのあとはちょうど 潮がひく ように脚早に収束に向うことを「急」というようにストーリーにリズミカルな変化を つけることを言います。
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