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7月8日から10日までは高田市に滞在し土地の俳人と歌仙一巻を興業ののち、能生・糸 魚川を経て市振に到着したことになっていました。
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直江津(今町)で発句
「文月や 六日も常の 夜には似ず」
直江津市荒川町琴平神社境内の句碑 |
(市振)この市振の条で芭蕉は珍しく筆を走らせ、遊女父子のことや彼らとの会話の やりとりなど誇張して述べていますが、これらは全くのフィクションで曾良日記では
単に一宿したとのみしかしるされていません。
これは終始堅苦しい紀行文に那須野越えの「かさね」の登場と同様わざと色香を添え たものと解釈することができます。
「ひとつ家に 遊女も寝たり 萩と月」
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市振(いちぶり)長円寺の句碑
「ひとつ家に 遊女も寝たり 萩と月」
相馬御風の筆になる碑文字が美しい。 |
(越中路)富山県に入った芭蕉は、歌枕で名高い富山湾新湊市の那古(ナゴ)を尋 ねています。ここはJR高岡駅前からその名も万葉電車という路面電車に乗って終点か
ら徒歩5分ぐらいのところで、きれいな松林を持つ海岸です。人けの少いところで付 近には大件家持の歌碑などが点在し万葉の世界に誘う雰囲気がありました。
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放生津八幡宮の碑
「早稲の香や 分け入る右は 有磯海」
富山県新湊市堀岡町 |
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