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![]() 写真と文:上野信好 |
源氏の大将木曾義仲は、若い頃から実盛と親交があった副将樋口次郎兼光に実盛の首を検分させ、自らも幼少の頃実盛に養育された恩顧を思い起し、その恩人の首を目の
前にして「あなむざんやな」と涙を落としたという故事に由来しています。 (那谷)芭蕉が小松市那谷町の那谷寺(ナタデラ)を訪れたのは8月5日のことでありました。この寺は西国三十三霊場の一番霊場である和歌山県那智寺と最終霊場の岐阜県谷 汲(タニグミ)の両寺から一字づつ取って那谷寺と名付けられています。広大な寺領 に大小の寺堂を配し、背後の岩山は白い岩肌が複雑な起伏を見せ、岩屋の奥に佛座を 置くなど霊場にふさわしい雰囲気が漂っていました。
「石山の 石より白し 秋の風」 この「石山」とは近江の石山寺を指したのではなく、那谷寺の石山のさまを言ったものと解したいものです。
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