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![]() 写真と文:上野信好 |
それは那谷寺の岩屋を吹き抜ける蕭条(ショウジョウ)たる秋風を石山の白さと対比 して詠んだものでした。芭蕉ならではの表現力を理解して欲しいところです。 (山中)山中温泉は石川県江沼郡山中町にある名湯で、紀行文は小松・・那谷・・山 中となっていますが、芭蕉らの旅は7月27日夜山中温泉に到着し8月4日まで山中に滞 在したことになっていました。
5日に北枝を伴って那谷に出かけ、翌6日には生駒万子 という弟子に会うため小松に引き返したことになっています。しかし実際に小松に行 ったかどうか祥らかでないことから「空白の8月6日」などとしてミステリアスに取り 上げる趣もあります。 (別離)8月5日、ここまで腹痛に苦しんできた曾良は、伊勢長島(現在の三重県桑名 郡長島町)の知り合いの人を頼って師と別れて旅立ってゆくことになりました。 |