BASHO
写真と文:上野信好


BASHO 「廿七日夜、カスカベに泊ル。江戸ヨリ九里余。」

春日部東陽寺境内の『曾良日記碑』


〈旅立ちの章、深川から室の八嶋まで〉

「おくのほそ道」の出発は元禄2年(1689)3月27日でした。これは旧暦の日付で現在の陽暦では5月16日に当ります。

  (第一夜)─芭蕉は第一夜を草加の宿としていますが曾良日記によればそれより17キロ先の春日部の東陽寺という寺に泊ったことがしるされています。芭蕉がわざわざ草加を第一夜としたのは、旅立ちに当って離別のつらさと旅の足取りの重さからやっと荒川を越え、草加にたどり着いたとするのが芭蕉の思考から相應しかったのでしょう。このように早くも「おくのほそ道」の虚構の部分が出て参りました。


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