BASHO
写真と文:上野信好


この墓地の位置は、勝本港を眼下に見おろしはるかに対馬や朝鮮半島をも望む小高い山の頂にあり、強い北風が墓石の上半分を削り取っていることでも判るように、この地のきびしい自然の様子を伺うに十分でありました。近くの公園には「おくのほそ道」の途中山中温泉で、腹痛の曾良が師と別れて旅立つことになり、その別れに際して詠んだ句の石碑が置かれていて、曾良が土地の人々にいまなお慕われている様子を知ることができました。

BASHO

上諏訪で生をうけた曾良の旅の生涯は、師を凌ぐほど広範におよんでおり、遂にここ壱岐の島が終焉(シュウエン)の地となったわけであります。筆者にはこの壱岐の事業家で懇意にしている辻川武一氏があり、去年10月8日辻川さんのご友人で郷土史家の原田彰夫氏から曾良についてのお話や著書や資料をいただく幸運に恵まれました。ここにしるした曾良についての記述は同氏のご指導によることは申すまでもありません。

BASHO 壱岐・勝本公園の曾良の句碑
「行きゆきて たふれ伏すとも 萩の原 曾良」


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