蝶々夫人
 
蝶々夫人(Madama Butterfly)
 
第一幕
《結婚披露宴》
 
蝶々夫人
写真提供:財団法人東京二期会
 
 長崎の港を見下ろせる小高い丘の上に小さな家が建っています。結婚仲介人のゴローが、この家とそしてかわいらしい花嫁をピンカートンに斡旋したのです。得意満面でピンカートンに家と使用人達を紹介するゴロー。しかしピンカートンはどこかこの「何でも金で買える国」をばかにしている様子です。
 
 そこへ領事のシャープレスが坂を上ってやってきます。ここで行われる結婚式に参列するためです。花嫁のことを尋ねるシャープレスにピンカートンは、お座敷で見掛けた可憐な蝶々のような娘に心を奪われ、ゴローを通じて現地妻として迎えることにしたことなどを話します。しかし、もとより正式な結婚ではなく、任務を終えてアメリカに帰ったら国の女性と結婚するつもりのピンカートン。シャープレスはそんな彼をたしなめますが、彼は聞く耳を持ちません。
 
 そこへ友人達とともに蝶々さんが坂を上ってやってきます。あまりにあどけないその姿にシャープレスが身の上を尋ねると蝶々さんは、むかしは武家の娘だったが父親が切腹して家が没落し、芸者になったことなどを話します。
 やがて親戚や神官などが次々と到着。そのにぎわいの中でこっそりと、蝶々さんはピンカートンに、あなたに一生ついていくためにキリスト教に改宗したとを告げるのでした。
 
蝶々夫人
写真提供:財団法人東京二期会
(左)ピンカートン:錦織健(右)蝶々さん:島崎智子
 
 結婚の儀式も無事終りシャープレスが帰っていきます。身内だけになったところで盃をかわす一同。そこへ蝶々さんの伯父の僧侶が怒り狂って乗り込んできます。彼はキリスト教に改宗した蝶々さんを激しくなじり、また親戚も「私たちを見捨てるのか」と怒りの声を上げます。彼らは蝶々さんに向かって「縁切りだ」と口々に言いながら帰っていきます。
 
 皆に見捨てられて泣く蝶々さんをピンカートンは優しく慰めます。やがて夕闇が辺りを包み、二人は甘い愛の言葉をかわしあうのでした。(「愛の二重唱」)
 
第一幕 《結婚披露宴》
第二幕 《三年後》
第三幕 《小さい家の部屋》
 
『蝶々夫人』解説へ戻る

 

 

ザ・オペラ オペラコンサート 斉田正子リサイタル 劇団情報 オペラサイト TVZ OPERA
 
Copyright © MIURA Printing Corporation. All Rights Reserved.