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椿姫(La Traviata) |
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第三幕 《ヴィオレッタの家》 |
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写真提供:財団法人東京二期会 |
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ヴィオレッタは病が悪化し、持ち物も売りつくし召使いのアンニーナと二人でひっそりと暮らしています。“アルフレードが謝罪に向かっている”とのジェルモンの手紙だけを頼りに命をつないでいる彼女は、その遅い訪問を嘆き、“神様、道を踏み外した女に哀れみを”と悲しげに祈ります。 |
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そこに突然アンニーナがかけこんできます。“奥様、気を確かにもって、思いもよらぬお喜びが…”アルフレードが戻ってきたのです!激しく抱き合う二人。彼はもう一度田舎で2人静かに暮らそう、と優しく語りかけます。(「パリを離れて」) |
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しかしヴィオレッタの病は重く、もう一人では立っていられないほど衰弱してしまっているのでした。ジェルモンもかけつけ彼女に許しを乞い、医者も呼ばれますが時既に遅く、もう手の施しようがありません。その時突然ヴィオレッタの体から苦しみが消え、彼女は何かに導かれるように立ち上がります。“私、生き返るのね…うれしいわ!…”しかしそれは消える前の炎の一瞬の輝きでした。彼女は愛する人の腕の中に崩れ落ち、もう二度と目を開くことはありませんでした。 |
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