リゴレット
 
リゴレット(Rigoletto)
 
第三幕
《川のほとりにあるスパラフチーレの家》
 
リゴレット
写真提供:財団法人東京二期会<br>
(97'5.31《オペラワイドショー》より)
 
 公爵を殺し屋に殺させることで復讐を遂げたらこの町を離れるつもりのリゴレットは、ひどい目にあわされても愛する人を忘れられないジルダに彼の本性を見せてやろうとしています。
 表向きは宿屋であるスパラフチーレの家にやってきた公爵は、「女の心なんて信じられるものではない」と陽気に歌い(アリア「女心の歌」)、酒をのみながら殺し屋の妹マッダレーナを口説きはじめます。ドアの隙間からその姿をかいま見たジルダは、かつて自分に語った愛の言葉を公爵が他の女にも語るのを知って涙に暮れます。
 
 リゴレットは娘を一足先に町を離れるよう送り出し、殺し屋に前金を渡して契約を済ませます。外は嵐。真夜中を約束の時間に決め、リゴレットは去っていきます。
 さて公爵が寝入ってしまった頃、彼の身を案じたジルダが戻ってきて中の様子に聞き耳を立てます。マッダレーナはすっかり公爵に惚れてしまい殺すのを止めるよう兄に頼みます。一度はそれを拒絶するスパラフチーレですが、妹のあまりのしつこさに譲歩することを決めます。真夜中までに誰か宿を求めやってくるものがいたら、そいつを身代わりにしよう・・・。それを聞いたジルダは、愛する人の身代わりとなって死ぬべく必死でドアを叩き、死へ向かって踏み出していくのでした。
 
 やがて嵐も過ぎ去り、リゴレットが戻ってきます。彼は自らの手で死体を川に投げ込もうというのです。真夜中の鐘が鳴りスパラフチーレから袋に入った死体を受け取ったリゴレットは歓喜に身を震わせます。
 しかしその喜びも長くは続きませんでした。まさに袋を投げこもうとしたその時、風に乗ってあの「女心の歌」が聞こえたのです。驚いた彼が袋を開いてみると、そこには変わり果てた娘の姿が・・・。必死で彼女の名を呼ぶと、ジルダは意気を吹きかえし愛に殉じて死んでいく娘を許してくれるよう語ります。自分の復讐の刃が最愛の娘を刺してしまったことを嘆き悲しむリゴレットの腕の中でジルダは静かに息を引き取ります。その時リゴレットの耳にはあのモンテローネの呪いの言葉が鳴り響いていたのでした。
 
第一幕第一場 《公爵の館の広間》
第一幕第二場 《町の外れにあるリゴレットの家の近く》
第二幕 《公爵の館》
第三幕 《川のほとりにあるスパラフチーレの家》
 
『リゴレット』解説へ戻る

 

 

ザ・オペラ オペラコンサート 斉田正子リサイタル 劇団情報 オペラサイト TVZ OPERA
 
Copyright © MIURA Printing Corporation. All Rights Reserved.