江戸・東京を往来して探る 実用便利帳
江戸の便利帳【伍】
「動物の色」(冬)
文:三輪映子
今月は、動物に由来する色の名を集めました。古風な色名はぬくもりを感じさせます。薄黄色のセーターよりも「たまご色」のセーターが、こげ茶のシャツよりも「とび色」のシャツの方が暖かそうに思いません?

鴇色(ときいろ)
目下話題の鳥、佐渡のトキ。その風切羽や尾羽の色。鴇は朱鷺とも書く。


猩々緋(しょうじょうひ)
能や歌舞伎の「猩々」の主人公である、想像上の動物の毛の色。


鳶色(とびいろ)
鳥のトビに由来するが、実際のトビの羽の色よりも濃い。おしゃれな色とされていた。


狐色(きつねいろ)
キツネの毛の色。伝統的な色名のほとんどが死語になった中で、狐色はまだ生きている。


卵色(たまごいろ)
鶏卵の黄身の色。「たまごいろ」という、やさしい響きがなつかしい。


鶯色(うぐいすいろ)
ウグイスの羽のような色。呼び名からして、上品な好みを感じさせる色。


鳩羽色(はとばいろ)
ハトの羽のような、紫っぽい灰色。年配の女性を美しく見せる色。


鼠色(ねずみいろ)
灰色やグレーと呼ぶより迫力がある。怖いストーリーの中で用いると、生きてくる言葉。


※掲載の色はイメージです。

●実用便利帳《東京の花の名所》1月〜3月

身を切るような真冬の冷気の中で、あでやかに大輪の花を開く冬牡丹の不思議。 そして、熱帯植物を鑑賞するなら、真冬がお勧め。温室はなんてったって暖かいし、 熱帯植物特有のはなやかな色や形は、心もほんわかと暖めてくれます。

【冬牡丹】上野東照宮
 1月上旬〜2月下旬
古風な石灯籠を背景に、霜よけの藁をかぶって咲く姿に風情がある。
所在地=台東区上野公園/上野東照宮ぼたん苑=
TEL03-3822-3575

【温室】夢の島熱帯植物館
 1年中珍しい花が楽しめる。
三つのドームからなる大温室に、約千種類の熱帯・亜熱帯植物を収集している。
Aドームは熱帯の水辺の植物。木生シダやパピルス、オオオニバスなど。
Bドームは熱帯の人里。コーヒー・果物などの作物や、色あざやかな花々。
Cドームには小笠原諸島の植物を集め、東京都の特色を出している。
所在地=江東区夢の島3-2/夢の島熱帯植物館管理事務所=
TEL03-3522-0281〜2

【温室】新宿御苑 1〜3月は洋ランの花が見頃
大温室は、亜熱帯植物室・ヤシ室・花木室・熱帯スイレン室・ラン室の5室に分かれ、それぞれの室の景観にバラエティーがあって楽しい。冬はランの花どき。ラン室では、カトレアやデンドロビュームが咲き誇る。
所在地=新宿区内藤町11/新宿御苑=
TEL03-3350-0151

【温室】神代植物園
熱帯の花木室・熱帯スイレン室・ベゴニア室からなる大温室に、約650種の植物。大温室の前のバラ園では、寒さに耐えてバラが咲いている。
所在地=調布市深大寺元町5-31-10/神代植物公園管理事務所=
TEL0424-83-2300

【温室】東京都薬用植物園
温室には、アロエ・ニッケイ・チョウジ・カカオ・コーヒーなど、薬草や薬木、香料や香辛料のもとになる植物を集めている。涼しい気候を好む植物のため、「冷室」もある。
所在地=小平市中島町21-1/東京都薬用植物園=TEL042-341-0344


※2000年12月現在

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