ラ・ボエーム
 
ラ・ボエーム(La Boheme)
 
第一幕
《クリスマス・イヴの日 パリのとある屋根裏部屋》
 
 詩人のロドルフォと画家のマルチェッロは、ひとつの部屋を共有する売れない芸術家同士。いつの日か売れっ子作家になることを夢見て今日も創作活動に励んでいます。しかし、夢はストーブに火をくべてはくれません。二人はロドルフォの書いた原稿を燃やしてつかの間の暖をとります。友人の哲学者コッリーネも金策がつかず手ぶらで部屋に現れますが、その後に音楽家ショナールが大変なお土産を持ってやってきます。ちょっとした仕事で大儲けした彼は気前よく薪や食料、酒などを買い込み、更に残りの金をみんなに分けるのです。今日はクリスマス・イヴだから街へ繰り出そうという彼の言葉に、一同は喜び勇んで早速景気付けに乾杯をします。
 
 ところがそこにやって来たのは大家のベノア。何と家賃の取り立てに現れたのです。さあ、大変!しかしマルチェッロはうまく機転をきかせます。酒と女が大好きな彼に一杯飲ませ、浮気の自慢話を引っ張り出したのです。いい気になってしゃべっているところを「汚らわしい奴め!」と一同でまくし立て、追い出してしまいました。 さて街へ、という段になってロドルフォは一仕事片付けるからと言って、一人部屋に残ります。するとそこにノックの音が・・。
 
 ドアの外には可愛らしい娘が立っていたのでした。ろうそくの火を貸して欲しいという彼女をロドルフォは感動の面持ちで見つめながら部屋に招き入れます。しかし彼女は階段を急いで上ってきたため、目まいを起こし倒れてしまいます。困惑するロドルフォでしたが、やがて彼女は回復し火を借りて帰っていきます。ところが、さっき倒れたときに落としでもしたのでしょうか、部屋の鍵を無くしてしまったと言うではありませんか。探そうとする間にろうそくの火が消えてしまい、続いてロドルフォのろうそくも・・。暗やみの中、二人は手探りで鍵を探します。でも、この可愛らしい娘をこのまま帰らせてしまいたくないロドルフォは、見つけた鍵を隠してしまい、偶然を装って彼女の手に触れます。
 
  そして月明かりの中で、自分の夢を、生活を語るのです(アリア「冷たき手を」)。そして彼女にも自己紹介を進めると、それに答えて彼女も貧しいけれど夢のあるその生活ぶりを語ります(アリア「私の名はミミ」 )。こうして二人はお互いに運命の相手を見つけます。そして甘い言葉を交わしながら、腕を組んで仲間たちの待つ街へと出かけていくのでした。
 
第一幕 《クリスマス・イヴの日 パリのとある屋根裏部屋》
第二幕 《同じくクリスマス・イヴの晩 パリの街中》
第三幕 《二ヶ月後 アンフェール関門近く》
第四幕 《数カ月後 第一幕と同じ屋根裏部屋》
 
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