ラ・ボエーム
 
ラ・ボエーム(La Boheme)
 
第四幕
《数カ月後 第一幕と同じ屋根裏部屋》
 
 ロドルフォとマルチェッロが相も変わらず創作活動に励んでいます。しかし心は上の空。二人とも別れた恋人のことが忘れられないでいるのです。二人ともこっそり、恋人が残していった思い出の品をとりだしてはキスをしています。
やがて昼時となり、コッリーネとショナールがパンを買って現れます。寂しい食卓ではありますが、一同は王族貴族になったつもりでおふざけを始めます。やれ舞踏会だ、やれ決闘だとはしゃぎ始めるのでした。
 
 その時、なんとあのムゼッタが飛び込んできます。ミミが階段の下まで来ているというのです。ロドルフォは部屋を飛び出し、弱りきって一人では歩けないでいるミミを連れてきます。皆は彼女をベットに寝かせ、落ち着かせます。ミミは病気が悪化してしまいもう長くないと悟ったため、死ぬときはロドルフォの元でとムゼッタに頼んでここへやって来たのでした。
 
 ミミのために何かしてやりたくても、貧しい仲間たちは温かい飲み物の一杯も用意することが出来ません。ムゼッタは自分の耳飾りを売るようにマルチェッロに託し、手を暖めるためのマフを取ってくることにします。コッリーネはあのクリスマス・イヴの晩に買った外套を売ることに決意します(アリア「古い外套よ、聞け」)。そして何も売るものの無いショナールは、久しぶりに会った恋人たちを二人きりにしてやるためにそっと部屋を出ていきます。
 
 二人きりになったミミとロドルフォは激しく抱きあい、愛の思い出に浸ります。あの運命のクリスマス・イヴのこと・・・。そしてどんなにお互いかけがえのない存在だったか・・・。しかし幸せな時間は長くは続きません。ミミは発作を起こして倒れてしまいます。
 
 やがて仲間たちが次々に帰ってきます。マルチェッロは医者を呼び、薬の準備をします。ムゼッタはミミにマフを渡し、ようやく手が温かくなった彼女は安らかに眠りにつきます。コッリーネも外套を売った金を手に戻ってきます。
 
 しかしそんな仲間たちの心遣いもむなしく、誰も気づかないうちにミミは静かに息を引き取っていたのでした。先に気付いたショナールやマルチェッロの狼狽からこの悲劇を悟ったロドルフォは、激しく恋人の名を呼びながら彼女の体の上に身を投げるのでした。
 
第一幕 《クリスマス・イヴの日 パリのとある屋根裏部屋》
第二幕 《同じくクリスマス・イヴの晩 パリの街中》
第三幕 《二ヶ月後 アンフェール関門近く》
第四幕 《数カ月後 第一幕と同じ屋根裏部屋》
 
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